2022/02/19 14:49
〈作り手について〉
30年以上前からの「安永商会」とのご縁。
当店の玄米茶には「香り・風味・色合い」ともに高い品質をもつ「安永商会の玄米」を一貫して使用しています。
株式会社 安永商会は昭和7年、故 安永繁一氏が熊本県・熊本市に創業。
同氏は国内ではじめて玄米茶を考案し、その商品化に成功した人物です。
※商品開発の最初のヒントは、ひな祭りの「アラレ」にあったそうです
※同社は昭和41年に「玄米(炒り米)」の製造特許を初取得しました
現在では一般的な「玄米茶」。
しかし開発当時、その原料となる米は大変な貴重品でした。
そのため「米を茶殻と一緒に捨てるとは!」と厳しい非難の声もあり、発売当初は販売に苦労されたそうです。
それでも「それまでのお茶には無かったインパクトのある香りと味わい」は徐々に人気を博していくことに。途中、友人だった宇治市の茶問屋からも協力を得たことも追い風となりました。
そして、創業から90年たった現在。
「玄米茶発祥の店 安永商会」はその品質本位の取り組みによって、製茶業界のみならず食品業界においても確固たる老舗の地位を築いています。
※昭和初期から使用されてきた焙煎機(写真上)はメンテナンスを繰り返し、いまだ現役で使用
また、先代からの技術を守るだけではなく、こうした伝統的な製造機器類のうち、その主要なものは全て有機JAS認証取得という現代の高い安全基準をクリアー。
まさに「伝統と革新」を両立させる〈モノづくり〉のDNAが「安永商会」にはその時代を超えて引き継がれています。
※詳細は〈モノづくり〉パートにて
創業者の曾孫にあたる斉弘氏よりお話を伺いました。
※斉弘氏(左)と茶農家出身の橋本氏(右)
〈商品について〉
当店の「抹茶入り玄米茶」は、急須から湯呑へ玄米茶を注いでいただく瞬間に、玄米の香ばしさが一気に立ちのぼります。
写真(上)はお客様からいただきました。綺麗な水色です。
一見すると濃厚な味わいのようにもみえます。
しかし、「玄米の香ばしさ」と「抹茶特有のほのかな甘さ」は、お互いの特徴を邪魔することなく、想像以上に優しい口あたりと軽く爽やかな後味です。
誰にでも受け入れやすい商品のため、当店ではいつものお茶に一本付け足して購入されるお客様が多いです。
※ もちろん毎月20本、定期購入されるような「抹茶入り玄米茶」一筋のお客様もいらっしゃいます
また意外かもしれませんが、外国人のお客様からも人気が高く、妹の夫(ドイツ人)も愛飲するお気に入りのお茶です。
この商品のもう一つの特徴は「抹茶」。
飲む方の好みを選ばない「適度な渋みと苦みのなかに、ほのかな甘味を感じる良質の抹茶」を使用しています。
当店では、玄米同様、原料の抹茶についても本物素材にこだわり、京都・宇治の「丸久小山園」のものを100%使用しています。
お茶づくりを競う全国茶品評会にて多数の大臣賞(全国1位)を獲得する名店です。
当店の「抹茶入り玄米茶」は、〈熊本〉玄米茶発祥の地また〈京都〉宇治抹茶の名店というそれぞれの本場より原料を直接仕入れ、自店にて製造しています。
日本茶専門店だからお届けできる、本物素材の相性を一杯の湯呑のなかでお楽しみいただけますと幸いです。
〈モノづくりについて〉
「玄米の香り」を最終的に決定づけるのは、やはり焙煎工程です。
※最終工程にあたる焙煎機(有機JAS認証取得済み)
写真内の斉弘氏の大きさから安永商会の焙煎機械のサイズが分かります。
機械の内部を3回にわたり、異なる温度・時間による焙煎を繰り返し(いわゆる「3度焙煎」ですね)、最終製品に仕上げられます。
焙煎温度は数百度レベルです。
気候・気温・湿度の変化は焼き上がりに影響を与えるため、焙煎職人と言わる方がその出来上がりを日々、片時も目を離すことなく管理しています。
多いときで1日あたり5トン。その玄米すべてを目視で確認します。
焙煎に加えて、「安永商会のモノづくり」の特徴は、その「香りづくり」を「原料の一次加工」からスタートさせることです。
※「玄米」のもと、うるち米の蒸し工程
〈モノづくり〉の効率化を考えれば、一次加工済みの商品を仕入れる方法が効率的です。
しかし、そうではなく、
・田んぼから収穫された原料を「お客様へお届けする商品」から逆算し、一次加工(=米を洗い、そして蒸す)の段階から〈モノづくり〉にかかわる
・そして、それが「玄米」の最終的な「味」と「香り」を左右する決め手だと信じ、引き継がれた技術•製法を守る
自分たちの目の届く範囲においては、自らが汗を流して手間をかける、まさに大手メーカーにはできない丁寧な〈モノづくり〉といえます。
「安永商会」では今日でも、これを愚直に実践しています。
是非一度、そのこだわりをお試しいただけますと幸いです。